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武道を始める心(2)

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武道は決して危険なものではありませんが、ふざけて行うようなものでもありません。どんなスポーツでも危険はつきものですが、格技である武道は特に稽古中にも真剣に取り組むことが求められます。道場での稽古中に笑顔でいる人を見ることは少ないかもしれませんが、それは彼らが武道を楽しんでいないからではなく、真剣に技を磨こうとするときには、自然と真剣な顔になってしまうのです。

サッカーなら、プレイの合間に笑顔を見せられる時間もあるかもしれませんが、武道の場合には、稽古中でも常に一瞬、一瞬が真剣勝負。組み手の間に相手に隙を見せたらすぐに1本をとられてしまうでしょう。ですから道場の中は常に真剣さに満ちています。武道を始める魅力の一つにこの真剣な空間を求めるということもあるでしょう。

柔道でも剣道でも、ちょっとした油断が大けがにつながることもあります。けがをすることは、自分を傷つけるだけでなく、傷を負わせた人もまた大きな代償を払うことになるのです。ですからけがをしないように万全の準備を行うことが求められます。

柔道が受け身の習得から始まり、剣道が防具の完全な付け方を学ぶことを重視するのは決して偶然ではありません。現在の武道は命のやり取りをするためのものでもありませんし、誰かを傷つけるために行うのでもありません。しかし、心に隙が生まれたとき、大けがをする可能性があることは否定できないのです。だからこそ指導者は自分の身を守るために絶対に必要なことをまずは身につけさせることに心を砕きます。

それは小さな子供でも、武道家として最も円熟期にある人でも、高齢者でも同じです。自分の弟子たちに絶対にけがをさせないこと、それは師範にとって最も大事なことのひとつなのです。武道を始めるとき、決して遊び半分に武道に取り組まないこと、技と同時に心を磨くこと、武道というひとつの「道」を極めるものであることなどは、決して忘れてはなりません。

指導者や師範も口を酸っぱくして、そのことを伝えようとするはずです。そしてそうしたことが頭や身体に染みわたってこそ、武道家への一歩を踏み出したといえるのです。



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